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遡って、新潟出張(ノドグロのときとは違う回)のついでにフラフラしたときの話。
あいにくの雨でしたが 雨が降ろうが、槍が降ろうがそこに在る。
それが城というものです
新発田城
主な遺構;表門、旧二の丸隅櫓、石垣など
(本丸表門・右/左・二の丸隅櫓)
遺構部分は江戸時代からのもので、重文。
表門の石垣。
屋根の延長線で石垣の色が変わっている。(その日の天気の雨ではなく苔やらで)歴史を感じます。
石垣は切り込み接ぎ。なかなかこぎれいな良い石垣です。
隅櫓から三階櫓までまっすぐに伸びたラインなどとてもいいです。
5年ほど前に辰巳櫓と三階櫓が復元されたそう。
首里城の復元を手がけた宮大工さんの手によるものなんだよ!
と管理事務所の人が新潟弁で自慢げに教えてくれた。
長岡も含め、新潟に来て初めて方言を体感したのが、新発田城管理事務所のこのおじさんでした。
辰巳櫓。(辰巳=南東方向にあるので辰巳櫓)
破風のある層が面白い造りになっています。
この出っ張りはただの飾りではなく、中に入ると出っ張り部分の下が抜けていて、石落しになっています。
実用も兼ねていて、見た目にも非常に個性的。
隅櫓と表門、それから三階櫓のそれぞれの城壁で見られる格子模様にもやはり意味があって、積雪に備えたものだそうです。
辰巳櫓・こぼれ話
お城までの道のりを迷子気味にさまよっていたところ(駅から徒歩30分くらいある)、
道の傍らにころんと、忠臣蔵の堀部安兵衛の生誕の地が。
安兵衛にはさして興味はなかったけれど(四十七士では、赤垣源蔵が好きだな)、
そういえば新発田駅には「堀部安兵衛ゆかりのまち」とかって書いてあったっけ。
で、この再建された辰巳櫓の概要を読んでみたら、安兵衛の実父(ヤヘヱさんではなく)がこの櫓の管理を任されていて、
あるときこの櫓が焼失してしまい、その責任を取って浪々の身になったのだそう。
へぇぇえ!!
こんな重要な一角の管理を任されていたなんて、結構名門だったのかも、と思ったら、
どうやら藩主の血筋だったらしい。
この櫓がなかったら、『忠臣蔵』もなかったかもしれないのだなあ。
さて、新発田城のメインは、こちら。
三階櫓 ※天守の役割を果たしていた
新発田城内の櫓や門は、全て出入り自由ですが、唯一の例外がこの櫓。
実は、新発田城は、戦時中から陸軍の駐屯地で、今も自衛隊の駐屯地と隣接しています。
隣接、というか自衛隊の敷地と被っているようで、三階櫓は防衛省と厚労省だったかの管轄下で入れないのです。
ちっくしょーう 畜生って言っちゃいけないんだよ!
自衛隊の敷地の鉄柵の向こうに見える三階櫓。
当時のまま残っている日本で一番古い部類に入る洋風建築の兵舎が、今は史料館になっているらしく、
立ち寄りたかったのですが、この町、わりと色々あって面白そうなのはいいが、歩きじゃムリだ…
それにしても、駐屯地のすぐそばにあったお城が、空襲に遭わずに残ったのはすごいなあと思いました。
同じ新潟県内だと、長岡城は空襲で焼失しているし。
ちっくしょーーーう
新発田城には他にも櫓があったようですが、戦災ではなく、全て明治維新の際の方針で壊されたそうな。
国同士の戦いにしろ、内戦にしろ、戦争はよくないな。
だってお城を壊すから。
…あれ、でもお城ってもともと戦うためのものだったなあ。矛盾です。
この櫓の一番の特徴は屋根の形です。
屋根がT字(あるいは丁の字)型!!
聞いてはいたけど、写真でも見たけど、実際見たらやっぱり驚きます
大棟(屋根のてっぺん)がT字。ということは、鯱も2匹じゃなくて、3匹
吉方位を指しているということらしい。
いや、違うかも。(かなりうろ覚えなので、別の部分に関することと混同してるような)
とにかく、多分他では絶対見ることの出来ない屋根の形で、見るにしろ、思い描くにしろ、理解は出来るけど、実際に見ると何か不思議。
そしてとても綺麗です。
この屋根の形と、鯱の反り方と、この調和はかなりワクワクします。
そんなに知られたお城ではないし、現在城郭として残っている部分は本当に限られた範囲でしたが、
出発前の予想よりも、断然楽しく、満喫したお城でした。
ところどころで案内をしてくれたおじさんたちもとても親切で、しかも城に対する愛が感じられました。
しかも、入場料が完全無料
新潟なのに、あの、ヘンな、『天地人』の幟がお城の傍らにへろへろ揺れているなんて事がなかったのも良かったな。
『天地人』の作品に関しては、見ていないので是も非もないのだけど、
あの幟には本当に辟易している…
5月に鶴ヶ城(会津若松市)に行ったときは、あっちこっちにヒラヒラしていて、すっかり台無しだった
どうにかならないものか。
案内のおじさん曰く、新発田はむしろ、上杉に滅ぼされた側なんだと世の風潮を面白くなさそうに話していたっけな。