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虹色ペリカンが、ダマスカスに出現。
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『覇王別姫』 天津青年京劇団

京劇を見るのは初めてではありませんが、覇王別姫は初めてです。

項羽と劉邦、というか項羽と虞姫。
虞よ、虞よ、汝いかんせん。 です。

西遊記のイメージが強かったので、戦闘場面ではもっと跳んだり跳ねたりが見られるのかと思っていたら、全体的に渋いつくりでした。
ああ、孫悟空はそういえば猿だった。猿はそして、ケモノなのだった。
項羽はヒトだった。同じものを求めてはいけません。

項羽の役は、一幕と二幕で俳優さんが替わり、それぞれ武戯と文戯となっていて、見せ場で役割分担するものらしい。
武戯がどうやら動きの方で、漢軍との戦闘場面で見得(?)を切るようなところは、
分からないながら、どうやらすごいワザらしいというのはよく分かる。
見得といっても歌舞伎のような大きな動きではなく、一歩一歩太極拳のように呼吸が絡んでくる感じです。
あの呼吸は、長生きできそうだ。

二幕は垓下の歌があるので、動きよりも台詞が重要です。
日本で言うと義太夫みたいなものなのでしょうか。
京劇の発声は特徴があるので、「いい声」というのは国や言語が変われば基準も変わるのかなと思っていたところで、
否、明らかにいい声だ…
発声や言語に耳慣れない日本人の私の耳にも、いい声です。

「騅逝かず」で、出て来た騅(すい=項羽の馬の名前)が、
歌舞伎のような馬の脚ではなく、ハリーポッターの箒みたいなやつだった。
時代劇でたまに見かける子供の玩具の馬のルーツはこれかな?
この道具は一幕から将軍たちが持っていたので武器の類だと思い込んでいたら、まさか馬だとは思わなんだ…
へー。。

騅が川に突き落とされる場面は衝撃でした。。
その箒みたいな馬がですね、宙を飛びます。(単に投げられただけだけど
確かに、馬の脚ではああはいかない。。

というか、私の昔読んだ記憶なのか思い込みでは、川沿いに追い詰められた項羽が渡し守に
自分はもう棺おけに片足を突っ込んだ身なので、せめて愛馬だけでも…と、騅を託すというちょっと美談めかしたものでした。
この京劇の筋では、渡し守が実は漢のスパイで、
項羽の足を止めるために流れが急なのでまず馬をとか言って馬だけ船に乗せ、
漕ぎ出したかと思ったら、馬を急流に突き落としてしまう

何だ、この落差は!?
どっちが本当なんだろう。歴史ってコワイ。

つい、日本の歌舞伎やらと比べながら見てしまうんだけど、
中国の人が歌舞伎なんかを見るときはこういう感覚になるのかもしれないな。

項羽と劉邦辺りなんて、日本史なんかよりも断然好きなので、
つい史実キャラの登場を待ってしまいます。
項羽が主役なので、弱冠悪者気味ですが、韓信が出てくるだけで血圧が上がって満足です。
劉邦軍は有名人が多いので、もうちょっと色々出てくるかと思ったけど。 ちぇっ。

故事からすると、劉邦が偉丈夫で豪快で、項羽の方が線の細いイメージを持っていましたが、
京劇の造形だと逆のようです。
隈取をして立派なヒゲをたくわえた恰幅のいい項羽と、メイクも薄くて優男風の劉邦。
意外!!

判官びいきは、古今東西、特に物語の中では共通のようですが、男性、女性の好みには国民性が現れるらしい。
中国人はおひげが好きですね。
ピンチのときに愛人に詩を詠んじゃうようなロマンチストで、白馬に乗った項羽ですから、
つい心中モノに出てくるような二枚目を想像してしまうんですが。

文字通り四面楚歌の状態で、愛人の殺害を躊躇して結局出来ない主人公にヒゲが生えている
と言う発想は、ロリコンな日本人にはない気がする。
何せ、覇王ですからね。それなりの貫禄は必要ってことだろうか。
ふむふむ、とりあえず、映画化の際にはチョウ・ユンファで決まりだな

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